わくわく
杉本俊夫の思い出話
ひてん人工衛星の熱構造モデル振動試験準備の時(1987年頃)私は宇宙科学研究所(ISAS)の上杉先生に会ってます。当時、インターネットがなく、知る由もなかったのですが、髪の毛が真っ白で気品があり、上杉家の子孫ではないか? と仲間に言っていました。それが本当のことだったと気づいたのは25年後のことです。
1985年頃のことですが、衛星構体の設計報告でISASに行った時、対応してくれた先生は三浦公亮(みうらこうりょう)教授、小野田淳次郎(おのだじゅんじろう)助教授、渡辺直行(わたなべなおゆき)助手の3人です。3人が一堂に会して聞いてくれていたことは圧巻でした。
人工衛星の構造体開発で重要なのは重量です。宇宙空間へ衛星を効率よく打上げるためには軽量であることが求められ、重さあたりのコスト換算で純金よりも高価なものとして軽量化開発を進める必要がありました。そのため、使用する材料はカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)、サンドイッチ版がメインです(重さあたりの強度や剛性を最も効率よく利用できるため)。金属はアルミ合金、チタン合金(非常に硬く、加工が難しい)、マグネシウム合金(メッキ処理で発火するほど危険)、ベリリウム合金(削るとその粉は毒性がある)等を使います。宇宙空間での太陽光面と影の面では温度差が300度あり、地球周回している衛星では温度差の繰り返しも発生します。